リスケジュールの交渉
銀行への支払いが困難となった場合、無理して返そうと思わずに、真っ先にリスケジュールの申請をして下さい。ここで間違っても「借りて返す」という行動をとってはいけません。余計に苦しくなるだけです。まずは金融機関に出向き、支払いを減額してもらえるように交渉しなければなりません。
リスケジュール交渉は、口頭で説明してもあまり相手にされません。
「なぜ、リスケジュールが必要なのか?」という事を理解してもらうために、書面を用意しなければなりません。リスケジュールの案件を稟議にかけてもらう際に必要になりますから、必ず作成しましょう。
必要書類は以下のとおりです。
- 資金繰り表
- 経営改善計画書
- 返済条件変更申込書
最低この3つがあれば、問題ないでしょう。
※複数行にリスケジュールする際は、また、違った書類が必要になります。
書類を用意しましたら、銀行へ行って、リスケジュールの交渉をして下さい。
リスケジュールの成否は、経営者の熱意にかかっているといっても過言ではありません。
ちょっと考えてみて下さい。
「景気が悪くて売上があがらなくて、支払いが苦しいから待って欲しい」
などといった、後ろ向きの交渉より
「支払いが苦しいですが、コストの見直しや、○○で利益体質を作り、○年後には通常通り支払いができるようになりますから、この期間だけは支払いを待って欲しい」
といった前向きな交渉。
どちらが銀行のウケが良いと思いますか?
明らかに後者ですよね。
リスケジュールの最重要ポイントは、経営者自身の「なんとしてでも会社を立て直す」という気迫がものをいいます。これは精神論ではありません。それに、リスケジュールは「返さない」という交渉ではありません。「支払い期間が長くなるけど、全額返す」という交渉です。
何も、銀行に対して悪い事をする訳ではありませんから、堂々と交渉しましょう。
リスケジュールをすると支払い負担が減り、資金繰りが楽になります。
そうすると、「経営が改善されて、資金繰りが楽になった」と勘違いしてしまい、約定どおりの返済に戻った時に、支払いができなくなってしまうケースも見られます。
リスケジュールをすると支払い負担が減りますが、返済の総額は変わりません。
この事は忘れずに、経営改善を図って下さい。